■コースコンディション |
「コースコンディション」とは、”芝の状態”のこと。
日本のゴルフ場においても、コースコンディションが良いコースもあれば、悪いコースもあります。
”芝生”は生きています。
コースコンディションは、ゴルフ場側のメンテナンス次第で大きく変化しますが、”時期”や”その年の気候”などによっても左右されます。
そのため、以前はコースコンディションが良かったのに現在は悪くなってしまっていたり、逆に、以前は良かったのに現在は悪くなっていたり・・・ということもあります。
ハワイのゴルフコースのコースコンディションは、”どこでも良いか?”というと、実はそんなことはなく、コースによって、ピンからキリまで存在するのです。
しかし、せっかくのハワイゴルフ。
誰しもが、”できるだけコースコンディションが良いコースでプレーしたい!”と思うことでしょう。
ハワイでは、
・日本とは気候が異なる
・日本のゴルフ場とは違う種類の芝を使用している
・乗用カートでフェアウェイを走行できる
などの、日本のゴルフ場とは異なる事情があります。
ここでは、そんなことも踏まえた、ハワイのゴルフコースのコースコンディションに関するRYOの見解を、ご紹介します。
●ゴルフコースの事情 |
コースコンディションの”良し悪し”のほとんどは、”ゴルフコースによる”ものだと考えます。
もちろん、日本の場合でも同様のことがいえます。
”ゴルフコース側で、どれだけメンテナンスに力を注いでいるのか”に集約されます。
コース側にも、いろいろな事情があるでしょう。
”コースメンテナンス”にどれくらいの費用をかけられるか・・・などです。
ハワイのゴルフコースでのコースコンディションの良さは、プレー料金に、ある程度比例しているといえます。
プレー料金が、比較的高い「リゾートコース」は、”コースコンディションが良い!”。
一方、料金が安い「ムニシパルコース」、「ミリタリーコース」や、ローカルコースは、”コースコンディションがあまり良くない!”というような傾向はぬぐえません。
やはり、”料金が高いコース”は、それだけ、”メンテナンス経費”を確保しているのでしょう。
そのほか、同程度の料金のコースの中では、ゴルフコースによって、コースコンディションが良いところと、それほど良くないところがあります。
ちゃんとしたコースでは、夕方や早朝などに、しっかりコースメンテナンスしていて、ある時期に集中してメンテしたりもしまています。
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●時期・気候の影響 |
ハワイは常夏の島ですが、北半球にあるため、1年を通してみると、12月〜2月頃と、7月〜9月頃では、多少の気温差があります。
ただ、日本のような”冬”はないので、低温により芝が枯れてしまうことはありません。
そのため、1年のどの時期でも、安定した(1年中それほど変化しない)コースコンディションでプレーできるといえます。
ハワイは、日本の冬期(12月〜2月くらい)が雨期といわれています。
雨が多く降る時期のコースのメンテナンスは難しいでしょう。
また、年によって、雨があまり降らなかったり、雨が多すぎたり・・・ということがあります。
気候が、コースコンディションにあたえる影響は、けっこう多いと考えられます。
数年前の2月、オアフ島で連日の大量の雨が降り、オアフ島エバ地区にある「ウエストロックゴルフコース」が完全に水没しました。
また、ワイキキ裏にあるアラワイ運河が溢れ、ワキキキの街並みも水没したことからも、ワイキキの「アラワイゴルフコース」も水没したものと思われます。
もし一度、水没してしまった場合、コースコンディションが回復するまでには、ある程度の期間がかかることでしょう。
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●エリアの影響 |
ハワイのゴルフコースは、ハワイ6島にありますが、島によってコースコンディションの良し悪しがあるとは思えません。
ただ、ハワイの中で”雨が多いエリア”では、あまりコースコンディションが良くない傾向があります。
雨の多いエリアでは、”ウェッティー(水分がしみこんでいる)”で、地盤がやわらかく、ぬかるみ状態になり、ショットをすると必要以上にターフがとれてしまったり、カートが通過すると、芝がめくれたり傷んだりしてしまうため、良い状態をキープするのが難しい要因といえるでしょう。
雨が多いエリアは、オアフ島の東側のコオラウエリア、カウアイ島のプリンスビルエリア、ハワイ島の東側エリア、マウイ島のカパルアエリアです。
とはいえ、カウアイ島のプリンスビルやマウイ島のカパルアは、リゾートコースなので、しっかりメンテナンスされており、コースコンディションが悪いわけではありません。
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●芝の種類 |
ハワイのゴルフコースの多くが、「バミューダグラス」、「パスパラムグラス」を使用しています。
日本の多くのゴルフ場で使用されている「コウライグラス」、そのほか「ライグラス」、「ブルーグラス」、「ベントグラス」などと比較した場合、「バミューダグラス」と「パスパラムグラス」の方が、芝が強くてしっかりしている感じもしますが、実際に、メンテナンスしやすいのか、良い状態に仕上げやすいのか、維持しやすいのかはわかりません。
ハワイのコースは、山にあるコースであっても、海からそれほど遠いとはいえず、すべてのコースで、”潮”の影響をうけるため、「バミューダグラス」でさえ、”潮”によって、”痛みやすい!”ようです。
そのため最近は、”潮”に強いとされる、新種の「パスパラムグラス」を使用するコースが増えてきています。
とはいえ、海の近くにあっても、「バミューダグラス」で、非常に良いコースコンディションのコースもあれば、「パスパラムグラス」でもコースコンディションがあまり良くないコースがあるから不思議です。
・・・ということは、”芝の種類”は、”コースコンディション”には、あまり関係なく、”コース側のメンテナンス次第”という感じがしてしまいます。
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●乗用カートのフェアウェイ乗り入れによる影響 |
ハワイでは、多くのゴルフコースで、フェアウェイへの”乗用カートの乗り入れ”ができます。
そのため、ハワイのコースのカートは、”太くてやわらかいタイプ”のタイヤを使用しているようです。
「ベントグラス」や「ライグラス」、「ブルーグラス」系の洋芝は、カートで走行すると、すぐに痛んでしまいそうですが、「バミューダグラス」や「パスパラムグラス」は、カートで走行しても、それほど痛まないような”強い種類”のようにも思えます。
ただ、雨の多いエリアや、スプリンクラー周囲などの、濡れた状態のところをカートで走行すると、地盤がぬかるみ、すぐに芝が痛んだり、めくれたりしてしまいます。
そんな状況やそんな場所があったら、コース側では、その日、またはそのホールなど、カートを”フェアウェイ乗り入れ禁止”にしたり、その周辺だけ”走行禁止”というような処置をして、対処しています。
コースによっては、芝の保護のため、「フェアウェイ乗り入れ禁止のコース」や、「フェアウェイを”90度ルール”で走行させるコース」もありますが、だからといってコースコンディションが良いわけではなく、フェアウェイをフリーに走行できるコースの方がかえって、コースコンディションが良い場合があります。
・・・ということは、”乗用カートのフェアウェイ乗り入れ”は、”コースコンディション”には、あまり関係なく、コース側のメンテナンス次第という感じもしまいます。
■関連事項
→ ハワイゴルフ A to Z 「乗用カート - 90度ルール」
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●キャディーの有無 |
ハワイのゴルフコースには、ほとんどのコースで、キャディーがいません。
※超高級プライベートリゾート「ナネアゴルフクラブ」と「クキオ ゴルフ&ビーチクラブ」(ハワイ島)のみ例外で、キャディがつきます。
日本のゴルフ場でキャディーがいるところでは、ラウンド中の時間がある時や夕方など一斉に、キャディーがディボット跡の目土(砂)を行ったりしています。(もちろんプレーヤーも都度しますが)
ハワイでは、日本のゴルフ場でキャディーが行っている作業がありませんが、だからといって、それによるコースコンディションへの影響は、ほとんどないといってもいいでしょう。
ハワイの芝は、日本で使用している芝よりもディボット跡がとれないためディボット跡が少なく、コース側で夕方などに、しっかりとメンテナンスを行っているためです。(もちろん、ちゃんとメンテしているコースの話ですが)
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●コース内の状況 |
もちろんコースによりますが、「フェアウェイ」、「グリーン」、「ティーボックス」、「ラフ」の状態は、以下のような傾向があります。
●フェアウェイ
しっかりとメンテナンスされているコースでは、「バミューダクラス」の場合、全体的にフカフカです。
「パスパラムグラス」の場合も、けっこうきれいです。
コースによっては、芝の密集度が少なく、ひどいところは、雑草が混入していたり、芝がハゲていたり、泥が露出しているところもあります。
ほととんどのゴルフコースには、フェアウェイに水を散水する目的の”スプリンクラー”が埋め込まれていますが、その周辺の芝が傷んでいたり、ハゲてしまっているところがあります。
これは、水の撒きすぎで、スプリンクラー周囲に水が溜まってしまい乾かず、芝が腐ったりして枯れてしまっている感じです。
さらに、そんな濡れた状態の芝の上をカートが通過すると、地盤がぬかるみ、芝が痛んでしまうのです。
けっこう高級なリゾートコースでも、このようなところがあるコースもあります。
逆に、”スプリンクラー”での散水が行き渡っていないエリアがある場合、そこだけ芝が枯れたように茶色くなっていることもあります。
「ディボット跡」は、日本のゴルフ場の「コウライ芝」よりはできにくく、少ないと思います。
キャディーがいないため、ディボット跡の修復(目土(砂))は、もちろんプレーヤーが行いますが、カートがフェアウェイ走行可で「ディボットボトル」が装備されているコースでは、簡単に各自で行えます。
そうした装備がないコースでも、グリーンキーパーが、しっかりメンテナンス作業を行っていればディボット跡は少ないですし、してなければディボット跡がたくさん残っているところもあります。
●グリーン
フェアウェイのコースコンディションが悪くても、”グリーンのメンテナンスだけはしっかりやっているコースが多い”という傾向があります。
グリーンのスピードは、コースによって異なり、グレードの高いコースでも、遅い時もあります。
●ティーボックス
コースによります。
だいたい、フェアウェイの状態に比例しているといえます。
●ラフ
コースによります。
あまりメンテしてないコースでは、ラフは雑草だらけだったり、泥が露出しているところが多いです。
また、コースによっては、”芝”とは思えないような”草”のところもあり。
カートパス(カート道路)周辺のコースコンディションが悪いところがあります。
■関連事項
→ ハワイゴルフ A to Z 「ハワイのゴルフコースの装備 - ディボットボトル」
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●エアレーション |
日本のゴルフ場と同様、ハワイのゴルフコースでも「エアレーション」を行っています。
「エアレーション」とは、日本では「更新作業」ともいい、グリーンやフェアウェイに穴ボコを空け、空気を入れ、その後、肥料や砂をまく・・・などの一連の作業のこと。
これにより、芝に空気や栄養をを与え、芝を元気に育成、維持するための、ゴルフ場にとって欠かすことのできない”メンテナンス作業”の1つです。
ハワイでも、日本のゴルフ場と同様、この「エアレーション」の最中と、作業後1週間くらいの間は、グリーンやフェアウェイに穴ボコが空いていたり、撒いた砂が残っていたりするので、プレーヤーからすると、”その期間中のコースコンディションは悪い”ということになります。
せっかく、ハワイでゴルフする時に、”グリーンが穴ボコだらけでボールがスムースに転がらない”、”グリーンやフェアウェイが砂だらけ”・・・なんていうことになると、非常に残念でガッカリしてしまうことでしょう。
ハワイの多くのコースでは、年に2回「エアレーション」を行います。
だいたいは、3月〜4月くらいと9月〜10月くらいの2回。(それ以外の時期のところもあり)
期間は、それぞれ1週間程度です。
1つのリゾートに18ホールコースが2コース以上あるところでは、1コースを完全にクローズにして「エアレーション」を行います。
それ以外のコース(オアフ島のほとんどのコースなど)は、エアレーション中でもクローズせずに営業してます。
ただ逆に、営業しているということは、エアレーション中のコースコンディションが悪い期間中に、プレーをするはめになることがありうるということ。
そのかわり、良心的なコースは、その期間中を割引料金に設定するコースもあります。
いずれにしても、エアレーション期間中と、期間後1週間くらいは、穴ボコや砂が残っていてコースコンディションが今一であることがあるので、注意したいところ。
「エアレーションスケジュール」は、事前に各コースの「オフィシャルWEBサイト」で公表しているところもあるので、事前にチェックしておくといいでしょう。
※このように、ハワイのゴルフコースは、エアレーションスケジュールを公表していたり、値引きしているところが多いので、日本と違って非常に良心的といえますね。
ハワイゴルフの際は、「エアレーションスケジュール」を考慮した上で、ハワイ旅行の計画を立てるか、プレーするゴルフコース選択をすることをおすすめします。
■関連事項
→ ハワイゴルフ A to Z 「日本のゴルフ場との違い - エアレーション」
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